私は東証一部上場の大手企業の採用業務を請け負いで担当しており、年間100名以上の中途採用に携わってきました。100名以上の採用を実現するために、2,000名以上の候補者の履歴書・職務経歴書を見てきました。
人事や部門の責任者は、採用のみの業務に携わっているわけではないので、じっくり書類に目を通して採用可否を判断することはできません。まずは面接で会って話すだけの価値がある方かどうかを素早く見極める必要があり、そのためにはいくつかの見るべきポイントがあります。
今回はそのポイントをいくつかご紹介したいと思います。
今回ご紹介のポイントを意識して書類作成いただければ、選考通過率UPに大きくつながるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
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ポイント①書類選考は減点方式で行われる(大手企業は特に)
まずはじめに、書類選考は減点方式で行われることがほとんどです。
もちろん例外もありますが、企業規模が大きくなればなるほど、有名企業になればなるほど大量の応募が集まります。時間がない中で沢山の候補者の書類をジャッジしないといけないとなると、一人当たりの書類を見るのに時間をかけていられません。ですので、見るべきポイントを絞って破断していきます。よって良いところを何とか見つけてあげよう、という思考にはなりません。
また基本的に書類だけで人を判断することは無理で、面接にて詳細を聞いてみなければ判断できません。ただ全員の応募者と会って話をするわけにはいきませんので、会いたいと思える人を書類の山から探し出すのです。通常書類選考の通過率は平均で30%ほどですから、その3倍の資料を見ないといけないと考えると効率の良い減点方式を採用するのは当然ですよね。
ポイント②書類全体の印象
かなりざっくりとした言い方でわかりにくいかと思いますが、まずチェックするのは書類全体の印象です。 これは書類を引きの視点で見て、転職に対する意欲やその候補者の性格などを読み取ります。具体的には下記のようなポイントです。
①写真の印象
これはイケメン・美人かどうか、ということではなく誠実さを感じられるかというポイントです。最近は証明写真ではなくスマホで自撮り写真を使用する候補者も増えていますが、それがダメということではなく、部屋の明るさや背景、撮り方などに気を使っているかどうかです。自撮り感が満載でスマホを持っている腕が写りこんでいたり、背景が無地の壁などではなく自宅感が強い写真などはマイナスポイントですね。
②文章の量
多すぎても少なすぎても印象はマイナスですが、どちらかといえば少なすぎる方がマイナスです。自己PRをすることが目的の書類なので、アピールするだけの経験やスキルがない、もしくはアピールしたいという意欲がない人だと捉えられてしまうので、スカスカの書類にならないよう気を付けましょう。
③わかりやすくまとまっているか
情報が端的にわかりやすくまとまっているか、ということも非常に大切なポイントです。上述しているように選考官は大量の候補者書類を見ないといけないので、ひとりひとりの書類確認にかけらる時間は限られています。正直に言うと2~3分、長くて5分だと思います。
よってダラダラと文章が記載されていると、時間内に候補者一番伝えたかったポイントを探し出せないまま不合格、という結果になりかねません。自分が伝えたいことを時間内にきちんと伝えられる文章にすることが大切なのです。
④誤字脱字、不備がないか
履歴書や職務経歴書は選考するための正式な書類になりますので、誤字脱字や不備があることは基本的には御法度です。住所やメールアドレスが違っていたり、学歴欄の入学・卒業年度が合わないなど、細かいことかもしれませんが、このようなミスをする人は実際に入社してからでも大事な商談や契約書などの書類作成の際に重大なミスを犯してしまうかもしれない、と懸念点に繋がってしまうのです。
ポイント③求める要件に合致しているか(特に採用背景)
このポイントについては当たり前のことですね。求めるスキルや経験の要件に合致しているかどうかは採用において最も大事なポイントですので、当然ジャッジが入ります。
ただ、ここで大切なのは単に優秀かどうかと、いうことが判断されるのではないということです。
中途採用の際は何かの事業や組織課題に対して、内部のリソースでは解決できないから外部調達するための手段です。ですので解決したい課題の解決につながるか、という観点がとても大切です。それが採用背景に合致するかというポイントです。
採用背景は様々ですので、転職活動の際にはきちんと把握しておく必要があります。定年退職者が出るから、○○スキルのある人が辞めてしまったから、組織が高齢化してきたから、若手の教育ができる人がいないから、リーダーシップがあるタイプが組織内にいないから、など採用背景によってアピールすべきポイントは変わりますよね。
ポイント④転職理由と志望理由の一貫性・納得感
中途採用において見るポイントは2つで、活躍できるか&すぐ辞めないか、です。短期で離職を繰り返している人などは当然ですが、中途採用市場に出てきている候補者は皆が一度は自分が選んで入社した会社を辞めようとしている人たちですから、企業側がまた辞めないかと懸念するのは当たり前ですよね。
転職理由が利己的でないか、客観的に見て志望理由との一貫性があるか、納得感があるかということは非常に気にする企業は多いです。
ポイント⑤自己をPRする内容になっているか
何度か言っているように、履歴書・職務経歴書は自分をPRするための書類です。その観点ですべての項目においてPRになるよう作り上げていかなければなりません。
よっぽどニーズの高い経験やスキルを持っていたり、学歴や社歴が見るからに優秀ということでない場合は淡々と職歴を記載しているだけでな何がこの候補者の強みなのか、ほかの人とどう違うのか、何が会社に入ってから生かせるのか、ということが伝わりません。
例えば営業実績が3期連続達成と記載されていたとしても、何がすごいのかが伝わりません。例えばそれが80名の組織で、1期当たりの達成者割合が30%かつ3期連続達成者は3名のみ、と記載があれば1期達成するだけでも上位3割に入り優秀な営業であることがわかり、さらに連続達成となるとかなり難易度が高い、よって優秀な人だろうということが伝わりますよね。
ここで言いたいのは、第三者が見てPRになっているかという観点です。先ほどの例でいえば、おそらく候補者が在籍していた企業内であれば3期達成という記載だけですごさが理解してもらえると思いますが、第三者に伝えるのであればきちんと前提を記載する、ということが非常に大切なのです。
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